俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
必要とされていない。
そんな結論に達すると、どうもならなくて激昂してしまうのだった。
「何なんだよ、おまえ…おまえのそういうとこ、嫌いだよ」
「え、嫌い…?」
「何でも一人で片付けちまって、完結させてんの…勝手に一人で前を見てるところ、嫌いだよ!」
閉まっていた感情を吐露すると、もう歯止めが効かなくなる。
「俺たちには見えない何かを見ていて、後ろを振り返らないおまえは、嫌いだよ!」
「………」
「後ろにいる俺たちのこと、俺たちがどんな思いでおまえを見てるのか、何も考えてねえじゃねえか!」
俺たちがどんなに心配してるのか、わかってるんだか、わかっていないんだか。
なのに、何でもわかった風にして、悟っているかのように、勝手に一人で納得してる。
俺たちに、中に踏み込ませないようにしている。
俺たちを必要としてくれない、そんなおまえは…嫌いだ。
「…ごめん」
本当にごめんって思ってるのか?
…でも、その続きは、溢れては零れる涙に邪魔をされて言うことが出来なかった。
次々と零れる涙を抑えられなくて、ひたすら泣き声をあげることしか出来ない。