俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「伶士、ごめん…ごめんな」
「…このっ…あほっ!」
急に謝罪に入った、その『ごめん』の意味がわからない。
何でもわかったようなフリしやがって。
頭にはくるんだけど、でも流れる涙でもう何も責めることが出来ず、どうしていいかわからなくて。
手を伸ばして、なずなの細くなった腰に縋って、ただ嗚咽する。
「おいおいおい…」と、呆れた声が頭の上で響いた。
わかっている。俺、無茶苦茶なこと言ってるって。
なずなを困らせるようなことを言ってるって。
でも、止められなかったんだ。
「お、おまえ、おまえのそういうとこ、嫌いだよっ…」
「…ごめん」
「でも…でもっ、好きなんだっ…」
「…うん」
必要とされたくて、必死だった。