俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「忠晴、俺の着替え…持ってきてくれた?」
恐る恐る聞いてみると、忠晴は眉毛のひとつも動かさず、表情崩さず答えた。
『何を言ってるんですか。持ってきてるわけないでしょう』
やはり…!
「か、帰らないぞ!俺は、帰らない!帰れ!」
『帰らないその理由がどういう理由かわかりません。取り敢えず中に入れて頂けませんか』
「い、嫌だ…!」
慌ててストレートに拒否すると、ここで初めて忠晴は眉を顰めた。
『嫌だとは。籠城気分を味わっているのですか?』
「…なんて辛辣な!」
すると、奥の玄関でガチャッと音がする。
まさか…!
「…と、いうか開いてました」
そこには、開いたドアから顔を覗かせる忠晴の姿が…!
ああぁぁっ!玄関の鍵、閉めてなかったのか?!
というか、何でもうそこにいるの?てっきりエントランスにいると思っていたのに!
「オートロックは?!…おまえ、ワープしたのか!」
「何をおかしげなことを言ってるのですか。やはりパニックになってますね。…帰りますよ」
淡々と言葉を突きつける忠晴は、「おじゃまします」と中に入ってくる。