俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
あわわ…敵の侵入をいとも簡単に許してしまった!
狼狽えて挙動不審になっている俺だが…実は勝手に忠晴を敵扱いして、勝手にパニってるのは俺だけだということに、俺自身が気付いていない(…)。
そして、そんなことに気付かない俺は、目の前に現れた忠晴から逃げるように、なずなの傍へと駆け寄る。
「伶士さまのことだから、きっと私が来る前にトーマスのところに逃げようとでも思ったんじゃないんですか?!生憎トーマスは休暇でラスベガスに行ってますよ!」
「…何でわかるんだよ!…帰らないぞ!俺はなずなの世話をするんだ!一緒にいるんだ!」
「な、なんと…」
渾身の力を込めて、叫んで抵抗するが…忠晴は、俺の方なんて見ておらず。
俺の隣にいるなずなの姿を視界に入れたその目を見開かせ、息を飲む。
「なずなさん、まさかこんなことになっていたとは…!」
「大丈夫だよ。…オートロック開けてくれたの、ひょっとして剣軌?」
「ええ」
ハッと気付いた時には、忠晴の後ろにもう一人。
スマホ片手に、あの川村も恐れる御方が立っていた。…いや、恐ろしい雰囲気は見せず、むしろ笑顔でこっちを見てるけど。