俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

ちょっと気まずくて、彼…菩提さんから目を逸らしてしまう。

そういや、先日。俺、錯乱状態だったとはいえ、この人に喰ってかかったな…なんて思い出してしまった。



何はともあれ、敵が…大物を味方につけて、乗り込んできた!

これはもう、万事休すだ!

万事休す…!



「伶士さま」

「はっ!…は、はい」



一人で盛り上がっているところに、忠晴の冷ややかな声が耳にサクッと入ってきたため、思わず冷静に返答してしまう。

そして、忠晴の非情なお言葉を頂戴することになるのだ。



「伶士さまは、なずなさんのお世話をすると言いましたよね?…具体的にはどのような事を?」

「へ?」

「お料理も洗濯も掃除も出来ないのに、いったい何をなさるんですか」



くっ。そう来たか。

確かに俺はおぼっちゃまで、家事は出来ない。



「こ、コンビニ…」

「は?」

「コンビニに買い出しぐらい行けますよ…」



俺のセリフを聞いた忠晴の表情が、なんとも言えない顔になる。

侮蔑というか、憐れみというか、威圧的というか…。

終いには「…そんなの猿にでも出来るじゃないですか」と呟かれた。

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