俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…けど、自分の感情も満足に整理出来ないだなんて、そんな自分自身に腹も立つ。
悔しい。悔しさが込み上げてくるよ。
「何でだよ…」
あまりにも悔しくて、振り絞ったように出てきた声は、震えていた。
真っ正面にいる忠晴の顔は、いつの間にか意地クソ悪い表情が消えて、見守るかのように黙って俺の目を見ている。
その、言葉の続きを待つかのように。
「邪魔になるとか、言うなよ…なずなは俺のせいでこうなったんだ…」
…なずなは、俺を護るために、熾烈な戦いに身を投じた。
結果、命を投げ出しそうになり、こんな芋けんぴのような姿になってしまった。
もう…邪魔なんかしない。足手纏いにとなりたくない。
これ以上、傷付けてなるものか。
《『護られる』ということは…自分の無力さをひしひしと痛感させられることになるぞ》
『護られる』ということ。
それは、苦しくて…痛いものだった。
親父の言ってること、わかったよ。
…いや、なずなが俺を庇って毒にやられた件の時点で、本当にもう痛いほどにわかっていたんだ。
じゃあ…。