俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
《そいつのために、自分にしか出来ないことは何か。それを常に考えておけ》
じゃあ、『護られる』俺は、どうしたらいいのか。
「…自分にしか出来ないことは、何か。それを探したいのに…」
訴えるだけなのに、目や体に力が入ってしまう。奥歯までをもギリッと噛んでしまうぐらい。
今の俺は、敵意剥き出しかのような形相になってると思う。
それでも忠晴は、表情を崩さない。
一緒にいれば…力になれることが見つかるかもしれない。
俺が、どうしたらいいのか。どうすべきなのか。
俺にしか出来ないことは何か、わかるかもしれない。
「…なのに、何で傍にいたらダメなんだよ!俺のせいなのに、何でこいつを置いて帰れるんだよ!」
俺の演説独壇場だったのだが、そこへ涼しげな口調の横やりが入る。
「伶士くん、なずなのその姿と結果は伶士くんのせいじゃない。これは、なずなが無謀な単独行動に出た上での結果だ。こうならない結果もあったのに。…だから、君だけが責任を感じることじゃないんだ」
菩提さんの淡々とした説明を耳にして、なずなは、フードを被ったまま深く俯いている。
静かにこくんと頷いていた。