俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「ふーん。オトナな答えだよね」
「ええ、オトナですから。…剣軌くん。リグ・ヴェーダは仮にも人間です。『殺し』は許されませんからね?前にも言った通り、『魔力を奪って生捕り』です。彼にはこっちの法律でも裁かれることはたくさんあります」
そう、ヤツは魔力を駆使すれど、半分魔族でもれっきとした人間なのだ。
この国に戸籍を置いている、人間。
それを忘れちゃいけない。
「………」
「こら、返事しなさい」
「そのセリフは警察官として?」
「そうですし、人としてもですよ」
すると、カフェのドアが鈴の音を鳴らして開く。
そこには、待ち人が来たる。
「お、神威さん来ましたね」
「…拓狼さん、自分を騙し騙し生きることも『正義』じゃないでしょ?」
「まだその話題ですか」
「…始まるよ?『夢殿争奪戦』」
『正義』とは、何か。
俺のボディガードは陰陽師。
~第五幕・白昼夢~