俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

大きめの白い無地の皿に、三種類ほど見繕ったデザートが盛られていて。

空いた部分にチョコのペンで《happy birthday》と書いてもらった。

まさに、お誕生日仕様のデザート。



『私の誕生日過ぎたけど…』

『まあそこはいいだろ。ちゃんとお祝いしてなかったし』

『別にいいのに』

『…よくない!』



…実は、これ。忠晴の提案で。

俺が『なずなに誕生日プレゼントをあげてないから、何か買いに行きたい。母さんのデパートにあるグッチやプラダにでも連れてって』とお願いしたところ。

『交際して間もないのに、高級バッグやアクセサリーを贈るのはドン引きですよ。学校の売店でクレカを使おうとした伶士さまは微妙に感覚が庶民じゃありませんから』と、白い目で見られ。

『お坊っちゃまだからってバカにするなよ?!だから敢えてチープなものを選んだのに!彼氏が何の贈り物をしないなんてあるか!どうすりゃいいの!』と、文句を言ったら。

『ではサプライズでもしたらどうですか』と、お店側に頼んでくれた。

デザートの内容も、なずなが食べれそうなものを選んで。

全部、忠晴の提案、助言、お膳立て。

で、全部俺の手柄にしていいと。



(………)



かっこ悪。
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