俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
その力が欲しいと願ってはいけない
★★★
マンション正面に堂々と停められていた我が家の車に乗り込む直前で、なずながピタッと足を止める。
見送りのため、俺たちの後ろをさりげなく着いてきていた菩提さんの方をチラリと見た。
まるで、顔色を伺うように。
「…部屋は定期的に掃除しておくけど?」
「……」
「取り敢えず、こっちのことは気にせず回復に専念しろ」
「…はい」
先程から、なずなが妙に大人しくなった。
彼の登場と、俺の家に行くことが決まってからだろうか。
しょんぼりしっ放しだ。
捨てられた子犬のように見えるのは、気のせいか?
対する菩提さんは、はっきり言っていつもと変わらず。腹の内が読めない笑顔のままだ。
そんな二言三言の会話を交わした後、静かに後部座席に乗り込む。
いつもと変わらないその笑顔で、車に手を振る菩提さん。
ドアの窓越しに頭を下げると「よろしくね」と、一言返ってきた。
もう一度頭を下げると、車は発進する。
……平然とし過ぎていて、心が読めないな。
距離が離れて小さくなっていく彼の姿を横目で見ながら、そんなことを思った。
マンション正面に堂々と停められていた我が家の車に乗り込む直前で、なずながピタッと足を止める。
見送りのため、俺たちの後ろをさりげなく着いてきていた菩提さんの方をチラリと見た。
まるで、顔色を伺うように。
「…部屋は定期的に掃除しておくけど?」
「……」
「取り敢えず、こっちのことは気にせず回復に専念しろ」
「…はい」
先程から、なずなが妙に大人しくなった。
彼の登場と、俺の家に行くことが決まってからだろうか。
しょんぼりしっ放しだ。
捨てられた子犬のように見えるのは、気のせいか?
対する菩提さんは、はっきり言っていつもと変わらず。腹の内が読めない笑顔のままだ。
そんな二言三言の会話を交わした後、静かに後部座席に乗り込む。
いつもと変わらないその笑顔で、車に手を振る菩提さん。
ドアの窓越しに頭を下げると「よろしくね」と、一言返ってきた。
もう一度頭を下げると、車は発進する。
……平然とし過ぎていて、心が読めないな。
距離が離れて小さくなっていく彼の姿を横目で見ながら、そんなことを思った。