俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「……おまえ、親父と一緒か!」
車を走らせること数十分かけて、我が家に到着する。
中に入るなり、玄関で俺らの帰りを待ち構えていた親父の第一声はそれだった。
親父のセリフの意味がわからず、首を傾げてしまう。
すると、なずなのスーツケースを持って登場した忠晴の声が後ろから聞こえた。
「そういえば、優さんもこうして激痩せしてお帰りになった事があったそうですね」
「え?おじさんが?」
「はい。旦那様の護衛で我が家に住み込んでいた時のお話ですが。私も父から聞いた話ですので」
「秀晴から?」
「ええ」
……忠晴の父、秀晴は、じいちゃんの執事。親父が家庭を持ち、じいちゃんが住まいを東京に移すまで、こっちで橘家の世話をしていた。今もじいちゃんに着いていって東京にいるけど。
親父の若い頃を知っている執事。…だから、住み込んでボディガードやっていたおじさんのことを知っているのか。
「本当に、あの時はビックリしたぞ。朝は変わりなかったのに、夜家に帰ってきたその姿は半分のサイズになっていたんだ。いったい何をやらかしたらあぁなるんだ?」
親父はボヤく。