俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「だ、だって、なずなは俺のせいでこうなったんだ…。だから、責任とりたくて…」
「責任?‥伶士、おまえに何が出来る?」
「……」
親父にジロッと睨まれる。
何が出来る?…コンビニに買い出しって言ったら、さっきの忠晴同様もの凄く怒られるような気がしたので、口は閉ざした。
同時に『何の力もないくせに、何が出来るんだ』と、俺の覚悟と実力を問われたような気がして、ムッとしてしまったのもあるけど。
答えを口にするまで睨まれ続けるのかと思いきや、視線からはあっさり解放される。
「ま、いい。伶士、おまえはこっち」
「え?」
親父に呼び付けられて、なずなが向かった廊下とは逆方向のリビングに連れて行かれる。
何故呼ばれたのかというと、来客がいたのだ。
その姿を目にして、思わず声を漏らしそうな程、衝撃が走る。
まさかの男が、いた。
「おかえりなサイ」
リビングのソファーに座り、グラスに入ったお茶を飲んでいたのはもさ男…いえ、玲於奈。
音宮陰陽事務所の社員、黒川玲於奈。なずなの仲間だ。
意外な人物がそこにいて、驚きを隠せない。
……なぜ、おまえがここにいる!