俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

菩提さんとなずなと一緒ではないのに、単品で家にいたなんて、不思議で仕方ない。

玲於奈に軽く頭を下げられ、ついつい俺も下げてしまった。

俺、この人にはあんまり良い印象は持ってない方だ。…だって、いつもなずなを持って行かれる。



「なずなは部屋に直で連れてった」

「ハイ、そうですか。では、後でお邪魔しますね」

「ああ」



親父は玲於奈の傍の一人掛けのソファーにどかっと腰掛ける。俺はその後ろに立っていたが、「おまえも座れ」と、親父は向かいのソファーを指差す。

親父と玲於奈と話…?

首を傾げるも、言われた通りにソファーに腰掛けた。



そして、落ち着いたところで、親父が話を始める。



「…見ての通り、なずなはただいま霊力を失って戦闘不能状態。なずなが回復するまでの間、別の護衛を付けると菩提から話があった」

「えっ!」



いきなりだ。

何の前触れもなく、いきなりそんな話を吹っかけるだなんて、思わず声が裏返ってしまった。

というか、護衛、もう良くない?…だなんて思っているのは俺だけなんだろう、きっと。

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