俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

ガタガタほざくその口を塞ぐ隙を見て、顔を近付けると。

視線が重なって、ヤツは目を見開いたまま黙る。

顔を近付けただけで、過敏に頬を赤らめるその様子が、また可愛くて。

もっと近付けて、短くその唇を奪ってしまう。



『………』



無言でポカッと肩に軽くパンチされる。



『……お、おまえぇぇっ!わ、私、これからデザート食べようとしてたのに、き、キス…!』



そしてもう一回『ばかもん!』と、肩パンされる。

でも、あわあわと慌てる姿がどうも滑稽で、思わず鼻で笑ってしまう。かわいい。



『な、何がおかしい!』

『俺だって食べたいし』

『ばっ!…ばかもん!で、おまえはいったい何を食べた?私のくち…このエロお坊っちゃま!…っつーか、今食いもん食った後!せめて歯磨きしてから…』

『俺だって同じもん食ってんだし。別にいいじゃねえか。何を口臭気にしてんだか?このエロなずな』

『な、何だとっ!そっくりそのままおまえに返すわ!このエロお坊っちゃま!』

『あははは』

思わず笑ってしまうが、呆れた視線が痛い。
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