俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
突然の問いかけに返す言葉を探していると、彼はまた問い掛ける。
《…君も、力が欲しいの?》
俺は…。
「……伶士殿、昨日はすまんな」
翌日、学校へ行くと、朝一番に俺を待っていたのは、昨日共になずなのところに訪れた川村だった。
川村は、自分が帰った後にどうなったのか気になっていたらしい。
その後の顛末…親父の提案で、療養のため、なずなはしばらく俺の家にいることになったことを伝えると、目をパチクリと見開いて、静かに驚いていた。
「まさか、そこまでやるとわ…おぬし、なかなかやるな」
「なかなかやったのはうちの親父だよ…。でも確かに。うちには忠晴がいるから、一人にしておくことは無い安心安全な環境ではあるんだよ」
「そうか。ならよろしく頼むな。……で、何だ?そのぶさいくな目は」
「……」
「大ぴえんでもしたのか」
「……」
川村に指摘されてしまった。
実は…今の俺の目。瞼がもたっと浮腫んで腫れている。二重の幅が消えてしまうくらい。
要は、泣き過ぎ。
一晩中、メソメソと泣いてしまった結果が、瞼の浮腫に現れていた。