俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
俺の力及ばず…というか、及ぶ力さえ持っていない俺は、どうすればよかったんだろうな。
攫われないように、そもそも狙われないようにするためにはと考えても、それは無理なのか。
自分でなんとか出来る術があれば、よかったんだろうけど…生憎、そんな力は持っていない。
《【夢殿】の力が覚醒すると、大変なことになると言いたかっただけデス》
《…君は、その力が欲しいと、願ってはいけない》
…このセリフが嫌でも頭の中をリピートする。
いやいや、力が欲しいとは言っても、俺は別にその予知夢の力が欲しいわけじゃない。
せめて、大切なものを護るための力が欲しいだけだ。
異次元能力が欲しいんじゃない。むしろ、知恵とか…。
知恵…そんなものの方が無さすぎるか。
もちろんなずなの身を護ることが第一だけど。
俺を護衛するなずなを護るには、俺自身の身も俺が護らねばならない。
(うーん…)
一晩泣き明かして、冷静に考えてみようと思ったけど、考える事が多すぎて頭がごちゃっとしてきた。
まとまらない。