俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

いや、そんなことより…。



「食事、出来てないのか…」



食事は愚か、水も飲めないぐらい弱ってるなんて、予想を遥かに超えている。



「い、医者呼んだ方がいいんじゃないの?点滴してもらうとか…」

「時間が経てばそのうちなんとかなるようなので、心配いらないとのことです。…というか、この同じやり取り、さっきも旦那様としたのですけど。親子ですね」

「…うるさい」



親父と同じことしてるというのは、さておいて。

なんとかなるって、何なんだ。

あらゆる方面で無責任だぞ、その言葉は。





家に到着すると、荷物はそこらに置いといて、なずなの部屋へと直行する。

特に急ぐ用事もないくせに、気持ち逸るのは何でだろう。

ただ、会いたくて。



「……なずな?」



ノックしても、寝てるなら当たり前に応答がない。

なので、ドアをそっと開けて、中の様子をキョロキョロと伺うように覗く。

人の気配は一切感じられないのは…恐らく寝てるからだろう。

ベッドの方を見ると、やはり。忠晴の言う通り、寝てた。

< 431 / 541 >

この作品をシェア

pagetop