俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
いや、そんなことより…。
「食事、出来てないのか…」
食事は愚か、水も飲めないぐらい弱ってるなんて、予想を遥かに超えている。
「い、医者呼んだ方がいいんじゃないの?点滴してもらうとか…」
「時間が経てばそのうちなんとかなるようなので、心配いらないとのことです。…というか、この同じやり取り、さっきも旦那様としたのですけど。親子ですね」
「…うるさい」
親父と同じことしてるというのは、さておいて。
なんとかなるって、何なんだ。
あらゆる方面で無責任だぞ、その言葉は。
家に到着すると、荷物はそこらに置いといて、なずなの部屋へと直行する。
特に急ぐ用事もないくせに、気持ち逸るのは何でだろう。
ただ、会いたくて。
「……なずな?」
ノックしても、寝てるなら当たり前に応答がない。
なので、ドアをそっと開けて、中の様子をキョロキョロと伺うように覗く。
人の気配は一切感じられないのは…恐らく寝てるからだろう。
ベッドの方を見ると、やはり。忠晴の言う通り、寝てた。