俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
おまえ、あのワンコロと一緒か?
そう考えると笑わずにはいられなかった。
だが、俺のそんな頭の中など知る由もなく、なずなは怒る怒る。
「何がおかしい!」
「いや、何でも。こっちのこと…」
「いっちょ前に顔隠してんじゃねーよとか思ったろ!いたいけな乙女心を笑うと地獄に落ちるぞ!」
「……」
幼気、ねぇ…ジャイアンなおまえが。
でも、このやり取りと、口振り。
いつもの俺らの調子に戻ってきたぞ。
そんなことを考えると嬉しくて、ついついまた笑ってしまうのであった。
…だが、そこは見逃されない。
「ま、また!また笑ったぞこの!伶士のくせに!…地獄に堕ちろ!」
「あっ…」
俺の失笑を目にしてカッとなり、ヤツは本当にご立腹してしまったよう。
俺に罵声を浴びせた後、バッと頭から布団を被って引きこもってしまった。
あー…。
「おーい…」
「……」
布団からは何の応答もなく、もぞっと動くのみだ。
これは、もう完全拒絶か?
と、思ったら、丁度忠晴が「何を騒いでるんですか」と、ここに来てしまい、部屋を出ざるを得なくなってしまったのだった。