俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

持ってきたのむヨとレモン水は、ベッドの傍に置いといて。

俺は、行動に出たのでありました。



「…なっ!…何をするんだおまえぇっ!」

「だから。一緒にテレビ見よう」

「だ、だ、だからって!布団の中に入ってくるヤツがあるか!」



俺の対抗する術とは、強行突破で。

なずなのいる布団の中に無理矢理身を押し込み、無理矢理テレビを見せ、無理矢理一緒にいる。

自己中の極み。

なずなが布団の中で蹲っていて、こっちの行動を見ていなかったため、布団の中にはいとも容易く入ることが出来た。

こっちに背中を向けているその細い体を、背後から手を伸ばして包み込む。

体が密着すると「ぎゃっ」と悲鳴が聞こえた。

「こら!」と抵抗はしているんだろうけど、今の萎びたきゅうりのなずなは、力が遥かに弱っている。

俺の腕の中でふにゃふにゃと動いているだけで、抵抗しきれていなかった。

これはシメたもんだ。



「返事をしないなずなが悪いんだからな」

「おまえぇぇ…」



そういうわけで。

布団の中で横になり、なずなを後ろから抱きしめたまま。

枕元に、俺のスマホを立てかけて。

テレビ鑑賞。

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