俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
すると、向こうで休憩終わりのコールがかかる。
立ち上がって集合場所に向かう横で、颯太が呟いた。
「じゃあ、悩みがひとつ解決した伶士には頑張ってもらわなくちゃな?」
「え?何を」
「これから始まるリーグ戦。頼りにしてるよ」
ありきたりの締めセリフに、ガクッとくる。
「…今度は俺の恋愛応援しろよ、じゃないの?」
「それは自分で何とかしますー」
照れを隠すかのように、駆け足で先を行かれた。
あっ!…素直じゃねえな?颯太は。
…だが、集合場所に辿り着くと、瞳真くんに「おまえらがかまってやんねえから、スズチカすげー絡んでくんだけど」と苦情を述べられた。
すみませんね。
そこは我慢して。
…こうして穏やかな日々を送ってはいたが。
この平穏、実は嵐の前の静けさで。
俺たちの運命の歯車は、無情にもまだ回り続けていたのだ。