俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

お家問題に、突然の来客

★★★







『悪者である僕たちを滅ぼして、この世界を救う正義の味方にでもなったつもりか?』




---声が聞こえると、視界が広がった。




(ここは…?)



太陽が照らす、背の高い古い雑居ビルが並ぶ地域を、上空から見ている。

…上空から見るとわかる。すすきのほど規模はそんなに大きくない。

琴似、もしくは南24条あたりだろうか。




その中のとあるビルの屋上には、人がいた。

三人。二対一で、お互い距離を取って対峙している様子。



一人は…あの、黒い翼の彼、リグ・ヴェーダだ。

けど、様子が違う。いつもの何を考えてるかわからない不敵な笑みではなく、敵意怒り剥き出しの歪んだ顔。

…さっきの声は、彼の声だったのか?



そして、相対するのは二人の大人。



『正義の味方?ねぇ…?』



腕を組みながら苦笑いをしているのは…音宮のおじさん?

そして、隣には、同年代の眼鏡にスーツのいかにもサラリーマンのような男性が、いた。



『正義…それはすなわち、正しい道理、人間行為の正しさという意味を持つ言葉ではあるが』



誰?この人。
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