俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
『夕方までには帰るよ』だって。わっ。夫婦みたい…。
新婚のような会話をしてることに気付いてドキドキしながらも…別のことが頭に過ぎる。
捜査二課長のこと。
…いやいや。
捜査二課長を通して、気付いたことだったりする。
『世界平和も大事な部下も俺自身の身も、俺が絶対に護ってみせる!』
『俺は、俺の中の俺を超える!』
ドラマの中の、はちゃめちゃ無謀設定だけど。
でも、この名台詞で我に返って、現在置かれているこの状況を冷静に、冷静に考えることだって出来た。
捜査二課長、ばんざい。
俺は…俺の中の答えを出す。
決意を固めたその日の晩はーーーいつもよりも長く、深く眠りについた。
果てしのない『白』の世界に、誘われるように。
そこにはやはり、いる。
佇んでいる、細い線の儚げな彼が。
『…どっちにするか、決めたの?』
やはり彼は、俺の出す答えを待っていた。
その問いに決意を乗せて、深く頷く。
…けれど。
どっちにするか決めたというよりは。
俺は、俺のしたいようにするんだよ。