俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
どっち?と、じめじめ悩んで迷うぐらいなら。
俺は、俺の中のそんな迷いを越える。
二者択一ではない。
誰も選んだことがない答えを選ぶよ。
すると、彼は顔を強張らせるもの、それは一瞬で。
口元をフッと緩めた。
『…生憎、その答えは誰も選んだことがないわけじゃないよ』
そのまつ毛の長い大きな瞳には…涙。
青く光り輝いた涙が、零れ落ちた。
『…本当は、僕もそうするべきだったんだ…』
涙を流しながら笑みを浮かべる彼の手には、白く眩い光が。
その手を差し出されると、光は強弱をつけて神々しく輝き出す。
そして、次第に大きくなり…『白』の世界が、更なる白い輝きに包まれる。
神々しい光に伸ばした自分の手さえ、見えなくなるほど。
(熱っ…)
…俺は、願うよ。『力』が欲しいと。
護る、その為に。