俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

『お、おまえらに俺たちの何がわかる?!わかったようなことを…!』

『じゃあ、今一度君に問う』



空気が…張り詰めている。

この流れを支配した彼の眼力が強まる。



『…正義とは、何か』








(正義とは、何か…か)





「…おー伶士!何をボーッとしとるのかえ?朝は眠たそうにしていたな?フッフー」

「あ、チカ」



考えごとをしながら着替えていると、目の前に、上半身裸という着替え中途半端なチカが現れた。

いつもご機嫌なチカは、ニヤニヤと笑いながら背中を突ついてくる。

思わず「わっ」と声が出た。



「オンナがいると、夜更かししちゃうから!眠たくて仕方ないわよね?わぁーお」

「そ、そんなんじゃないよ」

「わははは」



勝手に喋って、また勝手にどっか行った。

先輩への絡みは程々にしてくれ。クレーム入るから。




…新学期が始まって、もう二週間が経っただろうか。

春の日差しで脇を固めていた雪は、みるみると姿を消して、ようやくグラウンドを使う練習が通常運転になる。
< 47 / 541 >

この作品をシェア

pagetop