俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
『お、おまえらに俺たちの何がわかる?!わかったようなことを…!』
『じゃあ、今一度君に問う』
空気が…張り詰めている。
この流れを支配した彼の眼力が強まる。
『…正義とは、何か』
(正義とは、何か…か)
「…おー伶士!何をボーッとしとるのかえ?朝は眠たそうにしていたな?フッフー」
「あ、チカ」
考えごとをしながら着替えていると、目の前に、上半身裸という着替え中途半端なチカが現れた。
いつもご機嫌なチカは、ニヤニヤと笑いながら背中を突ついてくる。
思わず「わっ」と声が出た。
「オンナがいると、夜更かししちゃうから!眠たくて仕方ないわよね?わぁーお」
「そ、そんなんじゃないよ」
「わははは」
勝手に喋って、また勝手にどっか行った。
先輩への絡みは程々にしてくれ。クレーム入るから。
…新学期が始まって、もう二週間が経っただろうか。
春の日差しで脇を固めていた雪は、みるみると姿を消して、ようやくグラウンドを使う練習が通常運転になる。