俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…その続きを言わせる気か?
彼は、人間としても裁かれるべき事項があると、先日風祭さんが言っていた。
なので、警察のお縄に掛かるのが最善…。
「…それとも、僕を殺すかい?音宮のあの二人のように?…父の仇と、僕に復讐するかい?」
「なっ…」
少しだけ、忘れかけていた。
《私達は何も奪われず、あいつを殺る。ただそれだけだから》
なずなは、彼が罪を償うなんて望んでいないのかもしれない。
…いや、どうなんだ?
おじさんが彼の呪いから解放されれば、それでいい……のか?
よく考えたら、これについて俺たちはよく話し合ったことがない。
なずなが、本当のところどう考えているのさえ、わからない…。
言葉を詰まらせ、またしても何も言えないでいると、枝の上での動く気配を感じた。
「おや」と、黒い翼の彼が、枝の上で立ち上がり、遠くを見ているようだ。
「…噂をすれば、来たよ?」
彼が指すその方向に目を向けると、現れたその姿に驚愕し、思わず凍り付いてしまった。
な、何で…!
「…伶士!…伶士っ!」