俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「そそ。絵麻ちんとは同じクラスで初めての友達なんだー」
そう言って、真凛はえへへと笑う。…いつも笑顔満開なので、チカや陣内に「真凛、まじかわゆす!ビバ後輩!」と高評価だ。
「白戸マネなら、さっき川村と更衣室に入っていったな。もう少ししたら来ると思う」
「まじ!ありがと伶士殿ー!」
「………」
伶士殿って…。みっちょや川村と同じように呼ばなくても。
真凛が白戸マネを連れてなずなの教室に遊びに行く姿は、何度か見かけている。
そこには川村やみっちょもいて…話しているうちに、そう刷り込まれたか?
「で、伶士殿はこれから帰るの?」
「いや、これから俺も用事。空手道場に顔出してくるんだ」
「あー習い事!なず姉は依頼で剣軌さんと市外にいるからデート出来ないしねー?」
「そうだな…」
俺の時間は空いても、なずなは忙しい陰陽師。
あの高級肉屋以来お互い忙しく、毎日のLINEのやり取りと、学校で会ったら話をする程度だった。
もうちょっと会いたいな、とは思うけれども。
時計を見ると、そろそろバスが来る時間が近付いている。
お互い手を振って、真凛とはそこで別れたのだった。