俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
(あ、そういえば…)
だが、その姿を見て、こんな追及の場にも関わらず、ふと俺は…とあることを思い出した。
親父に話したいことがあったんだ。
「…あ、親父、あの」
「ん?」
フラッと追及の場を離れ、取り敢えず顔だけ出して書斎に戻ろうとする親父の方へ駆け寄る。
親父は俺の方をチラッと見るが、足を止めることはしなかった。
なので、さりげなーくその後ろに着いていく。
上手いこと自然にその場から逃げたというカタチになるが。
「あ、ちょっと…」「逃げましたネ」と、俺を引き留めようとする声が、背中の方から聞こえるが、ヒヤッとしながらもそんなのは構わないでおいた。
本当に、話したいことがあったんだ。
「何か話し合ってたんじゃないのか?大丈夫か?」
親父の後に続いて書斎に入ると、客人を気遣うセリフが出てくるが。
まさか、静かに追い詰められていたとは思いもしないだろう。
「だ、大丈夫」
「で、何だ?何か話したいことでもあるのか」
スーツのジャケットを脱いで忠晴に渡し、ネクタイを緩めて椅子に座りながら、俺に問う。