俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
とは言っても、デリケートなことだから、慎重に言葉を選ばねばならない。
「び、病死って言われてるけど……」
そう思うと、言葉がしどろもどろとなってしまう。
だが、親父は「あー。それか」と、俺の心情とはまるで違った空気で、あっさりと返してくる。
ん?と、違和感を感じてしまう。
「病死じゃねえ。…自殺だっていう話か?」
「え…」
そんな驚愕の事実を、日常会話のように簡単に返されるとは思わなくて、ガクッとくる。
…え?何なに?
こっちが驚くべきことを告げようと思ってたのに、逆にこっちが驚かされるとわ!
親父は…知ってる。
叔父さんは病死ではない。…自殺だったということを。
自ら命を断ち、短すぎるその生を、自らの手で終わらせてしまったことを。
「知ってたの…」
「まあな。そう聞かされて、腑に落ちたといえば腑に落ちたんだけど」
「え!誰に?誰に聞いたの?!」
この事実は、誰にも知られることがなかった……はずでは。
俺のリアクションも含めてか、親父は笑っている。
「……優だよ」