俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
今まで出会った神童たちは、『霊的能力が守護霊より長けてしまったがために、守護神、ガーディアンと契約しなくては生きていけない』だったが。
この二つの一族に限っては、ガーディアンの加護を受けるために、守護霊がどうだろうが、当主はその証として、継承の儀を行い、神童になるらしい。
『へぇ。そんなパターンもありなんだ…』
『なず姉んちの音宮と、うちの硯だけだよ?』
硯家の当主であり、陰陽師である真凛の父親は、北海道のとある港の漁師の娘と結婚。
こっちの家業も継ぐかのように、陰陽師業の傍、義父と共に漁師をやっていたそうだ。
陰陽師兼漁師って…。
だが、真凛が二歳の時に、父親と母親は亡くなる。
海の怪物と言われる魔族が、日本海の海に現れ、この世界に侵攻しようとしたらしい。
その侵攻を自らの命を以って母親と共に食い止めた、という。
後世に神童を受け継ぐことが出来ないまま、当主は亡くなった。
事実上、硯家は没落したということになる。
『…なのに、何で真凛は神童なんだ?父親から力を受け継ぐ儀式をしてないのに』