俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

(………)



にーちゃん!にーちゃん!

…れえしどのぉぉ!



…わっ。耳元で吠えるんじゃない。真剣モードだったのに。

しかも、ワンコロにまで伶士殿か。完全ネタ化している。



ぽめは、俺の膝の上でお座りをしている。

ハッハッと息を荒くして、俺の顔をじっと見ていた。

何だなんだ。何か用か。



すると、ぽめは「わん!」と吠えた。




れいしどの!

おにわでふりすびーしよーぜ!

あそぼあそぼー!




フリスビー?

何だ。随分と犬らしい遊びを提案してくるな?

瞳真くんのように、ウニイレやろーじゃなくてよかった。

しかし、フリスビーなどという健康的な遊び道具、小さい子供のいない我が家には、生憎存在しない。



すると、ぽめはまた「わん!」と吠えた。




ふりすびーならあるぞ。




そして、もう一度「わんわんっ!」と吠えた。

《そーれっ!》と掛け声をかけているようだ。…バレーボール?

すると、ボンッ!と空気の弾けるような音がするではないか。



「えっ…!」

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