俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
☆☆☆








ーーその頃、橘邸の書斎にて。






「……だなんてことを、伶士が話に来たんだよ。これってよぉ……」




剣軌と玲於奈、二人揃って書斎に呼ばれたのは、この橘邸に来て早々のことだった。

橘社長に『話したいことがある』と前置きされて。



話とは、橘社長の愛息である伶士が、突然打ち明けた内容についてだった。

だが、その内容は…まさかのことで。

二人は揃って、何分か息を止めていたと思う。



「先代【夢殿】のお亡くなりになった本当の理由を…伶士くんが?でもそれ、僕は優さんから内密に聞いておりましたが、何故伶士くんが?どこで?なずなは知らないはずです」

「【夢殿】は覚醒すれば、代々の記憶も継承されるっていうのが、鳴海クンの話ですよ。つまりそれ……」

「アウトでしょう」

「やっぱり…!詰めが甘いんだよ、あのアホは…」

もしもの推察が確信へと変わったことに、橘社長は大きくため息をついた。



誰にも、親にでさえ伝えることのなかった、兄の死の真相。

話したこともないのに、なぜ愚息が知っていたのか。

疑問に思って、念のため二人に確認をしたのだ。

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