俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

剣軌はかつて優からその話を聞いていたが、玲於奈はここで初めてその真相を知ることとなる。

じゃあ、息子はどこから話を聞いたのか。



「力が覚醒して、記憶から情報を得た。…が、一番腑に落ちると思います。もしそうだとするなら、あの魔族の『核』の有り様も説明が付くんです」

「かく?…リビングに飾ってあったあの黒曜石のことか」

「はい。恐らくあの『核』に聖域の力が触れた。そして、機能を停止させた。で、間違いないと思うんです。…伶士くんは、あの石を拾っただけと言い張っていますが」

「よ、よくわかんねえな。つまり」

「息子さんは…伶士くんは、すでに【夢殿】の力を覚醒させている。ということでしょうか」

「……」

もう、何も言えねえ。

なんて、水泳選手の名言をパクりながら項垂れてみる。

あれだけ気を付けていたのに、とうとうそんなことになってしまうとは…!



「しかし、疑問がひとつありマス」

「何だ?玲於奈」

「【夢殿】の覚醒って、本人わかりますよネ?でも、あの様子だと…何でか隠したがってるような気がしまセンカ?……何故デショウ。あの石を拾得物と強調してましたヨ」

「……」

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