俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「おっ。この子がびわなかぁー」



顔を緩めてまじまじと覗き込む神威さん。

びわたんのふっくらとしたほっぺをつんと突いて、「ははっ。やわらか」と更に笑みをこぼしていた。

横で「だろぉーう?」と、おじさん少年美奈人がうんうんと頷いている。



「で、わざわざここに連れてきてくれたの」

「そぉーう!今日は天気もいいし、お散歩がてらね」

「あんた…生後一ヶ月だから、そんな積極的に散歩しなくても。母さんは?」

「母ちゃんはイオンで買い物。俺も母ちゃんのおっぱいがパンパンになる前に帰るさー。俺も待ち合わせしてるし」



二人の話を傍で黙って聞いていたが。

その時ふと、びわたんを抱いている手がほんわりと温かくなる。

そして、ブリブリブリと音がした。



え。これって…!



と、思ったら腕の中のびわたんが「おぎゃー!」と泣き出す。

ふにゃふにゃと泣き続ける赤ん坊に、どうしていいかわからず、軽く挙動不審になってしまう。



「あ。びわたん、粗相したな?イケメンに興奮してとうとう脱糞してもうた」

「………」

んなわけあるか。

< 66 / 541 >

この作品をシェア

pagetop