俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「美奈、オムツ持ってきたの?」
「ありまっせー!お尻拭きも!」
すると、神威さんが俺に「貸して?」と、手を差し出す。
恐らく、脱糞しちゃっておぎゃおぎゃ泣いているびわたんをこっちに渡せということだろう。
ぜひ…!
顔をくしゃっと真っ赤にし、両手の指をブワッと広げて力を入れて泣いているびわたんを、恐る恐る差し出す。
神威さんは慣れた手付きで「よしよし」と抱っこしていた。
「純粋無垢、何の汚れもないなぁ赤ちゃんってのは。……じゃ、ごゆっくり」
余裕のある大人の笑みを浮かべて、神威さんはまた俺に小さく頭を下げる。
そして、美奈人少年に「奥でオムツ交換するよ」と、声をかけ、びわたんを連れて二人でカウンターの奥へと姿を消してしまった。
途端に店内がシーンと静かになる。
「………」
何だったんだ、今のは。
ボーッと立ち尽くした後、気を取り直して自席に戻る。
神威さんが買い出してきたものを、カウンター内の冷蔵庫にせっせとしまっていた咲哉さん。そこら辺に散らかしていたベビーカーもきちんと折り畳んで片付けていた。