俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「突然変なの来ちゃって驚かせてごめんね?…美奈人は、オーナーの知り合いのお子さんなんだ?」
「そ、そうですか」
神威さんの知り合い?…というよりは、神威さんの友達みたいな。神威!って大人を呼び捨て…。
それに「変なの」とか言っちゃうあたり、咲哉さんともそれなりに気のおける交流があるんだろうな。やはり、常連さんなんだろう。
しかし、なんせ突然なのがビックリした。
まるで嵐が来て、さっさと過ぎ去ったかのようだった。
「そうだそうだ。注文、何にする?日替わりランチはハンバーグだけど」
「じゃあそれで…」
注文を終えて、ようやく一息つけたような気がする。
席にすっかり落ち着き、カバンからスマホを取り出した。
なずなに『今ペンタグラムにいるんだ』なんて、LINE送ってみたりして。
…だが、嵐はひとつだけではなかった。
カランコロンという鈴の音と共に、お店のドアが開く。
「いらっしゃいませー。空いている席へどうぞー」
カウンター内で作業中の咲哉さんの声が響き、ふと顔を上げる。
しかし、そこには予想外の事態が突然やってきた。
(…え?!)