俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

正義なんかクソ喰らえ

★★★







いったい、何が起こっているのかわからない。

どういうことなんだ?




「会えて嬉しいよ。積もり積もった話があるからさ?」




何故、なんの前触れもなく現れて。

何故、いかにもここで待ち合わせしていたかのように、久々の再会を喜ぶかのように振る舞っている?



半人半魔、背中に黒い翼を持つ『マントラ』のリグ・ヴェーダ。

音宮のおじさんをあんな風にした…張本人。

なずならと敵対し、俺を狙っている黒い翼の彼が。

何故ここで、堂々と現れる…?

目的は何だ?

こうして俺の前に現れたんだ。まさか、ここで強制的に…!



(な、なずな…!)



真っ先に浮かんだのは、なずなの顔。

何かあったら、緊急事態時は護衛のなずなに連絡を。

そう思ったら、スマホを持つ手がピクリと動く。



「あれ?ひょっとして伶士くんの知り合い?」



俺と彼のやり取りを見ていたのか、カウンター内から咲哉さんが尋ねてくる。

何の疑いもなく尋ねてくる咲哉さんの顔を見て、ハッと我に返り、その手の動きが停まった。

同時に、一気に汗がブワッと体から放出されたような感覚になる。
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