俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「…んー?」



率直に問いただしてみたのだが、彼は感情のこもっていない無機質な微笑みを見せるばかりで、なかなか話し出そうとしない。

軽く威圧されているような気がした。

術中にハマってしまったのか、ただ不安が煽られるばかりだ。



「僕が君を欲しいっていうのは、わかってるでしょ?」

「は…欲しい?」



笑みを保持したまま、彼は頷く。



「一緒に来てくれって何度もアピールしてるじゃん。…わからないわけないよね?」



少し間はあったけど、返答も率直だった。

なら、こっちも率直のまま疑問をぶつけるしかない。



「…その理由を聞かせてもらえませんか?」

「え?」

言葉の割には驚いている様子もないのが憎いな。

「俺に来て欲しいのは、それなりに理由があるんですよね…?その内容を教えてもらう権利が俺にはあると思うんですけど…」

「へぇ…?」

「はっきり言って、貴方が俺を狙う理由が全くわかりません。強いていえば、曾祖母から引き継がれたこの…力ですか?」

駆け引きでも何でもない。

ズバリ聞いてやった。



だが、彼は笑う。
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