俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
バカにされているような気がして、多少苛立ちを覚える。
でも、これが彼の手法なら、思惑通りになってはいけないと思って、自分を落ち着かせようと息を吐いた。
そんな俺の様子を引き続き面白がりながら、彼は口を開くのだった。
「橘くん…君は『正義の味方』ってどう思う?」
「正義の…味方?」
思い当たる節に少し戸惑って、言葉を詰まらせたのは言うまでもない。
これは…!
《じゃあ、今一度君に問う》
《…正義とは、何か》
…あの夢の内容とモロ被り?
まさかの偶然に、思わず息を止めてしまった。
夢を通した《注意喚起》が腑に落ちてしまう。俺にはやはり、能力が手にあると実感する瞬間でもあった。
そんな戸惑いを隠せずに沈黙したままでいると、彼は一方的に話を始めていた。
「例えば、よくアニメで『正義の味方参上!』ってあるじゃない。…罪のない一般人を傷付ける『悪者』をやっつけるスーパーヒーローみたいな?虐げられている弱者に望まれて登場するんだ。『助けて!餡パンマン!』みたいな」
「は、はぁ…」