俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「ますます気に入ったよ。その答え合わせ…する?」
「は?」
「やっぱりここで君を逃がすわけにはいかないね?…一緒に来てもらおうか?」
「………」
「と、いうか。君の答えがどんな物であろうと、そのつもりだったんだけどね?」
(しまった…)
自分の置かれている立場に、改めて気付く。
薄々わかってはいたけど。この人は最初から…俺を逃がす気なんてなかった。
彼に上手く乗せられたと気付いて後悔する。
彼と接触し、この席に誘われたその時点でもう決まっていたんだ。囚われの身となっていたのだ。しくった…。
彼の薄気味悪い笑みが、勝ち誇ったようなものにも思える。
「そうとなれば、こんなところには長居無用だ。…来るね?」
「………」
…どうする?
ここで彼の言いなりになって、着いていくわけにはいかない。
でも、やたら無闇に逃げ出したら、彼はこのカフェにいる人たちに危害を加えるかもしれない。
それだけは避けないと…!
沈黙を保ったまま、短い時間に頭をフル回転させて悶々と考える。
彼から逃れる術を。