俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だが、変化に気が付いたのは速攻だった。
(…耳鳴り?)
突然、キイィーン!と大きな耳鳴りが、両耳に襲いかかる。その耳を反射で塞いでしまうほど。
同時に、足元がグニャリと波打ったような気がして、気持ちふらついてしまった。
いったい、今の何…?
だが、すぐに耳鳴りとふらつきが落ち着く。
辺りを見回すと、先程のスイッチの前で咲哉さんとびわたん片手の美奈人が、液晶画面を覗き込んでいるようだ。
「よしよし!上手くいった!これ作った俺、天才!」
「ああぁぁ…オーナー…」
意気揚々とガッツポーズを見せる美奈人と、力が抜けて崩れ落ちる咲哉さん。
何が起こったのか、二人の背後からそろっと覗き込む。
びわたんが「うー」と声を出した。
スイッチ横の液晶画面には、時間が表示されていた。
ただいま9:48と表示され、数がどんどん減ってる…タイマー?
「それは、アラート結界の制限時間だ」
「アラート?」
不思議そうに見ていたのがわかったのか、疑問に答えたのは美奈人だった。