俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

強く光り輝いて視界が奪われる。

目を伏せる瞬間に、白い毛を靡かせたライオン…トラ?のような獣の姿を見たような気がした。

爆風に煽られて、体を逸らされる。

そんな中で「やべっ。いけねっ」と、美奈人の呑気な声がした。



「俺たちも結界結界…」



びわたん片手に、大きめのトートバッグの中を弄っている。

チラリと見えたが、中は紙おむつ…。

そして、取り出したものは。



「じゃーん!俺特製、簡易結界!」



カウンターの真ん前に置かれたものは…雪だるまのぬいぐるみ?!

『Snow festival』とロゴが…雪まつり製品!

それ、びわたんのオモチャじゃ…?



「スイッチオン!」



そう言って、ぬいぐるみの頭をポンと叩く。

ぐにゃっと体が歪んだ雪だるまのぬいぐるみだったが、光り輝いた。…嘘っ!

途端に爆風が止んだ。というよりは、遮られた。ぬいぐるみの向こうでは、黒い羽毛は四方八方にぐるぐると舞っている。

と、すると。このぬいぐるみ、本当に結界…!



「よしよし。正常に起動した」



美奈人のドヤ顔に唖然としてしまう。
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