世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編
投げられた雪玉を避けると、
「避けないで……っ!!」
と怒られる。
「避けねぇと当たるだろ」
「当たっていいの!!」
花莉は何個も雪玉を作って投げてくるから、俺はそれを避けながらサンタ花莉の写真を撮りまくる。
何枚かの写真はブレてしまってるけど、その写真も今日の思い出として大切なものだ。
「もう写真いいでしょ!!」
雪玉を何個か投げたら、ぷいっとそっぽを向いた彼女。
「花莉サンタさん」
そう呼んでも返事はなく。ぱさりと上着を肩にかけてあげた。
すると、その上着を持って雪子さんの後ろへと隠れる花莉。
俺に写真を撮られないためか、そこで上着を着て。
雪子さんの後ろから少し顔を出して、こっちの様子をチラ見。
カメラを向けてないかの確認だろうか。
「花莉」
俺はスマホをポケットにしまって、もう一度呼んだ。
すると、彼女はべーっと舌を出してまた雪子さんの後ろに隠れる。