世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編



投げられた雪玉を避けると、



「避けないで……っ!!」



と怒られる。



「避けねぇと当たるだろ」


「当たっていいの!!」




花莉は何個も雪玉を作って投げてくるから、俺はそれを避けながらサンタ花莉の写真を撮りまくる。



何枚かの写真はブレてしまってるけど、その写真も今日の思い出として大切なものだ。




「もう写真いいでしょ!!」




雪玉を何個か投げたら、ぷいっとそっぽを向いた彼女。



「花莉サンタさん」



そう呼んでも返事はなく。ぱさりと上着を肩にかけてあげた。
すると、その上着を持って雪子さんの後ろへと隠れる花莉。



俺に写真を撮られないためか、そこで上着を着て。
雪子さんの後ろから少し顔を出して、こっちの様子をチラ見。



カメラを向けてないかの確認だろうか。




「花莉」




俺はスマホをポケットにしまって、もう一度呼んだ。
すると、彼女はべーっと舌を出してまた雪子さんの後ろに隠れる。





< 13 / 39 >

この作品をシェア

pagetop