世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編
なんか、猫に警戒されてるみてぇ。
「もう写真撮らねぇから、おいで」
そう言ってみても、花莉はやっぱり雪子さんの後ろから出てこなくて。
俺は花莉に1歩、2歩、3歩……と近づいた。
すると、急に彼女は雪子さんの後ろから出てきて、にやりと笑ったかと思ったら─────。
俺に向かって雪玉を投げてきた。
1個じゃなくて、3個。
一瞬の油断。
まさか、花莉が隠れて雪玉を作ってるなんて思ってなくて。
それは、見事に俺に全て当たった。
「ふふっ」
花莉は嬉しそうに笑って、逃げていく。
無邪気で可愛い。
なんかすげぇ楽しそうだし。
「絶対やり返す」
俺は急いで雪玉を作って、逃げる花莉を追いかけた。
花莉は走りながら雪玉を投げる、けど、それは全然違うところに落ちて。
作った雪玉を花莉に向けて投げようとしたら─────。
花莉はツルッと足を滑らせて。
助けようと走ったが、雪のせいでいつもより早く走ることができず……。
彼女は転んでしまった。