世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編
その頬を人差し指でつんつんしようとしたら、指をぱくりと食べられそうになって慌てて引っ込めた。
頬をつんつんしようともう一度指を近づければ、また彼女は口を開いて。
再び引っ込める指。
最近、花莉の頬をつんつんしようとすると今みたいに俺の指を食べようとする。
どうして食べようとするのか以前聞いてみたら、花莉は『遊ばれないようにしてるの』と言っていた。
確かに、花莉が頬を膨らませるとよくつんつんして遊んでるけどさ。
これもこれで可愛いから遊びたくなる。
何度も指を近づけて、食べられそうになって、指を引っ込めて。
それを何度も繰り返していたら、花莉はそっぽを向いてしまった。
「花莉、あそこにいるのって……」
ぽんぽん、と彼女の肩を叩いて声をかける。
すると、花莉は気になったみたいでこっちを向いて。
その瞬間を逃さず、唇に触れるだけのキスをひとつ。