世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編
「カワイイやつにしようと思ったんだけど、それじゃ普通かと思ってねぇ。
ちょっとブサイクなやつにしたんだよ~」
ちゃんと飾ってね、と付け足して言われる。
「花莉がやだ、って言わなければ玄関に飾る」
「え~。もし、やだって言ったらシユーの部屋に飾ってよ~。
飾らないとそのサンタとトナカイの呪いが~」
まるで脅しかのように言ってくる玲央。
俺は呪いとかそういうのは信じてねぇけど、花莉が聞いたら怖がりそうだ。
下手したら玲央が花莉にでたらめな呪いの話しそうだし、何も言わずにそっと飾っておくか。
「飾っとくから変なこと花莉に言うなよ。あいつはお化けとか呪いとか、そういうの信じてるタイプだから」
そう返せば、「乃愛と同じタイプか~」なんて言いながら玲央はケラケラと笑う。
空木も、なのか。
「わかったよ、シユー。ちゃんと飾って俺に証拠写真送ってね~」
「おう」
「ところで、シユーはプレゼント何選んだの~?」
「俺は100万円貯まるっていう貯金箱」
俺がそう答えた瞬間。
遠くの方から
「一生大切に使わせていただきます……っ!!」
と涙声が聞こえてきた。