世界No.1の総長と一輪の花 クリスマス特別編
「手袋と2階にあった詩優の上着、適当に2つ持ってきたからちゃんと着ておきなさいね」
中から出てきたのは、京子。
そして手渡されたのは、手袋と上着。
「さんきゅ、京子」
「あとこれは詩優のぶんね。ポケットに入れてちゃんと隠しといて」
小さな声で言われて、コソコソと渡されたもの。
俺はすぐにそれがなんだかわかって、ポケットの中に突っ込んだ。
「明日は花莉とデートなんだから、風邪ひかないようにね」
京子は最後にそう言うと倉庫の中へと戻っていった。
俺はすぐに花莉のもとへ。
彼女はすぐに俺に気づいて、こっちを見る。
寒さのせいか、まだ少し花莉の顔が赤い。それから、猫耳フードの上に少し雪が積もってる。
「京子が上着持ってきてくれたから。これ着ような、花莉サンタさん」
フードの上の雪をはらってから、ぱさりと彼女の肩に上着をかけてあげた。
「ありがとう!あとで京子にお礼言わなきゃだね」
「おう。手袋もあるからつけような」
花莉も俺も裏起毛の上着を着て、手袋を装着。
すると、さっきよりは寒さを感じなくなった。