身代わりでも傍にいたかった
翌朝、朝食を何時もの様に食べている時に
「翔、私卒業式が終わったら実家に少し帰ろうかと思っているの」
「ふ~ん どれくらい?」
「まだハッキリ決めていないのだけど就職したら時間取れないだろうから親孝行も兼ねて旅行に行っても良いかな?と思っている」
「親孝行 確かにそうだね。就職したら時間とれないかもね。真央、お前凄いな」
「そんな事無いよ。ほら、私18で出てきた時は自分の事ばかりでサラ~と出て来ちゃって親の大変さとか理解してなかったからね。」
「俺も親孝行しないとな・・」
「そうだ翔、親孝行対決しよう。写真に撮って後でどっちが沢山親孝行したか」
「なんだよそれ。別に良いけど」
「よし!絶対私勝つからね」
私はとびっきりの笑顔で笑った。
笑顔 出来ているよね?
4月になったら私の事なんて思い出すことも無くなるだろうけれど、
何時か私を思い出すことがあった時に笑っている私を思い出して欲しいと我儘な事を願った。
その日を最後に私は翔と二人きりで会わないで卒業した。