身代わりでも傍にいたかった
私,柳井真央は大好きな藤原翔の彼女であって恋人じゃない。
私は彼に愛されてはいない。
彼が好きなのは私の友達の桑野夏海。
私を抱きながら「スキ」と口にするけれど私の名前は口にしない心の中で「夏海」と付け加えているのを知っている。
私を抱きながら彼は夏海を想っている。
だから私はその後にどんなに身体が気怠くてもシャワーを浴びて彼の想いを洗い流している。
そしてそのままベッドに戻らないでソファーの下から毛布を取り出してソファーで寝る。
朝までグッスリ眠る翔は知る由もない。
翔が起きる頃にはソファーで寝た痕跡を消して朝ご飯の用意をしているから・・
もう、一年もこんな事をしている愚かな私。