身代わりでも傍にいたかった
不動産のサイトを検索し続ける日々と卒論に追われ落ち込む気分を何とか踏みとどまれる日常。

そして内定が出た10月中旬。

大体の辺りを付けて内覧の予約をし、
何もしないと心が千切れそうなので部屋の片づけをし始めた。


要るもの要らないものを振り分けていると映画、水族館、遊園地色々な所のチケットやらパンフレットが出てくる。

それを目にするたびに霞む目を拭い作業を淡々と続ける。

それらは要らないboxに・・
そして慌ててboxにまるで自分の気持ちにするように蓋をする。

ある日朝ご飯を食べながら翔が

「部屋なんかスッキリしてない?」

と言い出した。

何時か言われると思っていたので用意していた科白を吐く

「もう直ぐ社会人になって忙しくなると片付けをする時間も無くなるから今のうちに要らない物を整理しているのそれに私、洋服も基本自社ブランドしか着られなくなるから・・」

「あ、そうか俺も見習って片付けしよう」

とヘラっと翔が笑うその笑顔反則だよ・・

私誤解する。

その笑顔に今は未だ縋っても良いですか?
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