大好きだよ、ミック
「ミックを保護した保健所の写真だよ」

悲しげな目で伯父さんは言う。私はアルバムを受け取り、そっとページをめくった。刹那、目を背けたくなる光景に体が震えてしまう。

檻の中に入れられた犬たちは、みんな怯えた目をしていた。いつ自分が殺されてしまうのか、恐怖と不安を隠すことなくカメラのレンズを見つめている。見たことのない恐怖の表情に、私は隣に座っているミックを見つめた。ミックもこんな場所にいたんだ。

何枚も、何十枚も、死に対して怯える犬たちの表情が映し出されている。そして最後の方には犬たちが殺処分されるガス室が映されていた。

「これ……」

写真を見た刹那、私の胸がさらに締め付けられる。息が上手に吸えない。痛くて、とても苦しい。

ガス室の壁には、苦しみからか爪痕が多くついていた。写真を見ているだけなのに、ここで殺された罪のない犬たちの悲痛の叫びが聞こえてきた気がして、涙がこぼれ落ちていく。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」
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